かわいそうなぞう (おはなしノンフィクション絵本)
つちやゆきお 文・たけべもといちろう 絵/金の星社

太平洋戦争、空襲が激しくなる中、
戦争の激化により、空襲時に逃げ出したら危険ということで、
動物園の動物を殺処分する命令が下りました。
この絵本は上野動物園であった実話をもとにした絵本です。

利口なゾウのジョン、トンキー、ワンリーは毒入りの餌を食べません。
餌をもらうために芸を飼育員に見せたり・・・
最後は餓死してしまうのですが・・・。

とてもじゃありませんが、涙なしには読むことができません。
読むときは泣きながら読みます。
「泣いてしまって読めない本」というのが私にあるのですが、
この本もその中の1冊です。
自分自身も子どもの時に読んで、
とても悲しくて仕方なかった思い出があります。

子どもに絵本を読むとき、
絵本の話の内容を伝えることはもちろんですが、
ママ(お家の人)は泣いてしまうけど、それでも読む、という姿勢を
子どもに見せるのは大事なことじゃないかなと思います。

「絵本を子どもに読む」ということは、
単に絵本の内容を伝えるだけではないのです。
子どもたちは、絵本のお話とともに、
「絵本を読む大人の姿勢」や
読み手の「生き様」を絵本を通して見ているのです。

戦争の絵本。
「まだ子どもだから」ではありません。
「子どもだからこそ」感じることができること、たくさんあります。
楽しい本も、面白い本も、笑える本も、
そして、こういう本も、同じように伝えていきたいと思います。