わがままいもうと
ねじめ正一 文・村上康成 絵/教育画劇

妹が、熱を出してぐったりして
「アイスクリーム たべたい」
と言ったので、お兄ちゃんは
妹のために西へ東へ大奔走して頑張る!!お話です。

バニラアイスを買って帰ると
「バニラじゃなくて イチゴがいいの」
イチゴモナカを買って帰ると
「くちのなかにくっつくからいや」
イチゴアイスを買って帰ると・・・

とまあ、こんな感じなんですが、
お兄ちゃんは全然嫌がってないんです。
むしろ、妹がかわいくてしかたなくなって、
気がつかなかったことにごめんね気分になったりで、
妹愛(?!)が半端ない(≧▽≦)

↑こうやってあらすじを書くと、
妹はなんてわがままなんだろうと、思うかもしれませんが、
読んでいると、妹の言い分や、お兄ちゃんへの同情みたいな気持ちよりも、
お兄ちゃんの頑張りや気持ちの方に注目がいって、
すっごく楽しいお話なんです。

なにより、お話のテンポがすごくいいっ!

実は、この絵本、延々と文章が続き、
なんと、一文!!!
つまり、「。」が一つしかない!!

このテンポの良さが、最大の「楽しいポイント」なんです~(≧▽≦)

妹のために頑張るお兄ちゃん、
買ってきたアイスを自分で食べて、
最後は
「ぐるぐるごろごろげりげりぐるぐる」
の大ピンチにおちいり・・・!

そして、
最後のオチ、「やっぱり、妹、そうきたか!!」と、
大人はきっとツッコミを入れたくなります(笑)

おはなしが楽しめるようになったお子さんから、
小学生~高学年でも十分楽しめる絵本です。
ホント、楽しいおはなしなので、
是非お子さんと楽しんでくださいね。

うちの子どもたちも大好きだった絵本です。
それに、小学校や園でも、毎年夏になると読んでいます。
一つだけ惜しいのは、小さめの絵本なので、
あまり大きな集団には向かないこと。
教室中の子どもに見えるような絵本ではないので、
比較的小さな集団で読むことをおススメします。

そうそう、妹を持つお兄ちゃんに、
「こんな優しいお兄ちゃんになってね」オーラを出して読むんじゃなく、
純粋に絵本を楽しんでくださいね!